「奏―。ジュース買いにいこう。」 「うん。ちょっと待って、陽子ちゃん。」 鞄の中から財布を出そうと探しても、なかなか見つからない。 「あれ―、おかしいな。 家に忘れてきたのかな。」 「財布見つからないの? 最後に使ったのいつよ? 思い出してごらん。」 「ん〜っと・・・」 陽子ちゃんに言われて、思い出そうとする私。 すると、何やら廊下の方からざわめきが聞こえてきた。 そのざわめきは次第に大きくなり、 ガラッ 私たちのいる2組の教室のドアが開いた。