―奏― 君に捧げる愛の歌



「良かったじゃんっ!!
奏――!!」



私の家にお見舞いに来てくれた陽子ちゃんに、俊がまた歌を始めたことを報告すると、
陽子ちゃんは自分の事のように喜んでくれた。




「うん。今はまだ駅前で弾き語りをするけど、またメジャーを目指すって。」



「そっかぁ。頑張ったねっ 奏っ!!」



陽子ちゃんが私の肩をポンっと叩く。



「私は何もしてないよ。
俊が自分で乗り越えてくれたんだよ。」




「私、毎日聞きに行くよ!!」



「ありがとう!陽子ちゃんっ!」



陽子ちゃんの気持ちが嬉しくて、私は陽子ちゃんに抱きついた。