「奏さんのバイト先の崎谷 俊です。」



俺はあいつの両親に軽く頭を下げ、挨拶した。




「そうですか・・・。

すみません、わざわざ。」



あいつの母親がお辞儀をした。



さっきまで泣いていたのだろうか・・・・
目が赤く腫れている。





「あの・・・倒れたって。

奏さんは無事なんですか?」




「今は安定してます。

前にも倒れたことは何度かあるんですけど・・・
今回はこのまま入院することになるそうです。


そちらにもご迷惑をお掛けします。」



そう言うと、母親は再び俺にお辞儀した。