―奏― 君に捧げる愛の歌






「・・・・・・」



それまでの迫力は消え、驚きの表情を浮かべる俊。





「ごめんね・・・。
タケさんが話してくれたの。

俊が昔、弾き語りをしてたこと。

美香さんが交通事故で死んじゃったことも・・・」



私は続けた。



「俊の気持ちはすごく分かる。

美香さんのこと、8年経った今でも愛してるんだよね。

だから、歌うこと辞めちゃったんだよね?


でも、美香さんは俊に歌を歌い続けて欲しいってねがってるはず。

だって、誰よりも俊の歌が好きだったんでしょ??

歌を歌う俊が好きで、
そんな俊の夢を応援してくれてたんでしょ??」





俊は何も答えない。



唇を噛み、下を向いている。