―奏― 君に捧げる愛の歌




そうだ・・・
私は、俊に立ち直って欲しいんだ。



俊が私を立ち直らせてくれたように。





また昔みたいに、
ギターを弾いて、
夢を追いかけて、
今を一生懸命生きて欲しい。










「何かするって・・・
あいつはそれを望んでんのか?

それに、2年前の時の事あいつは覚えてんのかよっ!」



「それは・・・・」



今までの様子だと、俊はきっと私の事覚えてない。



でも、私はそれでもいいと思っていた。



俊に自分から、病気のことを打ち明けるつもりもなかった。



俊が立ち直ってくれたらそれでいい。



私はいつか俊の前からいなくなる―



だったら、
俊には何も知らせず、元気な私だけ覚えていて欲しい――







「・・・・・ごめん、言いすぎた。
帰ろう・・・。」



佑真はそう言うと、
ブランコを降りて、自転車を停めている場所に歩いていく。