皆が帰った後、 俺は運動場から校舎へと続く階段の上でスパイクを磨いていた。 沈みかける夕日の光が運動場の地面を優しく照らしていた。 高校に行ったら、もう陸上部には入らないんだ。 スパイクを磨きながら、俺は考えていた。 それには、ちゃんとした理由があるから。 ケガでもなく、友達関係でもない。 俺はあることがしたいんだ。