「彩、好きだよ。」
雨に濡れてしまわないように、彼女の肩をそっと抱き寄せる。
ああ、本当に好きだ。
彩、ずっと傍にいてよ。
「私もよ。」
そう言って僕の目を見る君は笑ってた。
僕も笑い返す。
「私も好き。」
もう一度呟き前をみた君の横顔を見る。
…ねぇ、本当に?
君の僕への愛どれくらいだい?
…君が好きなのは、
誰なの?
「あっ、もうっ!私の方に傘寄せすぎだよー!肩濡れちゃってるじゃない…」
僕の肩に乗っかった滴を手で払いながら呆れた様に笑う君を見て、考える事を止めた。
言い出せないのは、
君がこんなにも大好きだから。
君の笑顔を少しでも長く見ていたいから。
君が
何も言わないから。
何よりも、僕自信のせいだからなのかもしれない。
僕の前では、変わらぬ笑顔でいてくれているから。
あんな事があったのに、こうして僕と一つの傘に入ってくれているから。
「…どうしたの?」
心配そうに顔を覗き込んでくる彼女に笑いかけた。
「何でもないよ。帰ろうか。」
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