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「――山神委員長!」
頭に響く越川の声。
風紀委員の活動場として使っている教室のドアが開く。
「………なんだ?」
「あれ?なんか元気ないっすね?」
コイツ、たまに鋭いな。
実は朝から頭痛が止まない。
ぼーっとして思考もまとまらない有り様。
「…気にするな。それで、今度はどうした?」
「あ、そうでした!三年の風谷さん達が…」
越川の言葉を聞いて思わず舌打ちしてしまう。
「アイツらも懲りないな……。」
額を押さえつつ、私は席を立つ。
「山神先輩?やっぱちょっと元気ないっすね?」
「何でもない。気にするな。」
首を傾げる越川の額を指で弾いた。
「いった……な、何するんですかぁ」
「ほら、行くぞ。」
「あ、待ってください!」


