「お前の名前は?一方的に知られているってのは、あまりいい気分じゃない。」
男子生徒は背中越しにまたクスクスと笑った。
何がそんなに面白いと言うんだ?
「白石……白石 稔(シライシ ミノル)。三年A組。」
白石はそのまま立ち去っていった。
三年って…
私と同級生か。
あんな奴居たか?
「変な奴だな。」
「何言ってるんですか、山神先輩!!」
私の呟きに対して、越川が身を乗り出す。
「まさか白石先輩を知らないんすか!?」
「あ、ああ…」
頷けば、信じられないと越川は驚愕した。
「白石先輩と言えば成績優秀、スポーツ万能、そして何より…あの容姿!みんなの憧れの存在なんですよ!?」
「そ、そうなのか…?」
あまりの熱弁ぶりにちょっと引いてしまう。


