そこに居たのは他校の制服を着た、いかにも柄の悪い集団。


なるほど……

大体の事情は分かった。



「おい、てめぇに用はねぇんだよ!さっさとアイツ連れてこい!!」



一人の生徒が詰め寄り怒鳴りつける。



コイツが頭か。



「誰のことだか知らないが、学校前で騒がれるのは迷惑だ。今すぐ立ち退いてくれないか?」
「あ?誰に向かって物言ってんだ?」
「お前に決まっているだろう。他に誰が居るんだ?」
「この女……っ」



一瞬殴りかかろうとしてきた男は、少し考えて拳をおろした。


「気が変わった。お前がアイツの代わりに話をしてくれるって言うなら、今は引いてやってもいい。」



だから、アイツって誰だよ…。


「分かった。思う存分話し相手になってやろう。」
「いい度胸だ。来い。」



男が歩き出せば、仲間たちも後をついて行く。


私はその一番後ろ。


「せ、先輩!危険ですよ!!」
「大丈夫だ。こんな奴らに負ける訳ないだろ?」



引き止めてくる越川を宥め、私は足を進めた。


そして何故か隣には…


「おい、だから何でついてくるんだ?」
「面白そうだから。」



笑う白石の姿があった。