放課後、委員会前に三年A組の教室へ。
教室内を見渡しても姿は見つからない。
仕方なく近くにいた生徒に声を掛けた。
「すまない、白石の奴は居ないか?」
「白石さんならもう帰ったよ。」
「もう!?HR終わったばかりだろう?」
「いつもの事だよ。学校に残ってる白石さんなんて見たことないし。」
「そう、なのか?……分かった。ありがとう。」
居ないのなら、どうしようもないか。
それにしてもどうしてクラスメートが、さん付けなんだ?
アイツってそんなに憧れの存在なのか?
何だか掴めない奴だ。
「山神先輩!委員会の時間ですよー!」
越川が風紀室の前で私を出迎える。
「ああ、すまない。」
煮え切らない思いで私は風紀室へと入った。
明日、朝一で会うしかないか…。


