君がいたから





「僕、めっちゃ心配したんだよ?

体育から帰ってきたら桜子いなくて、栞に聞いたら倒れたとか言うし……

桜子のことが気になりすぎて授業とか全然集中できなかったんだから!」



嬉しい………


こんなにも気にかけてくれている隼人を愛おしく感じていた。




「ごめんね、心配かけちゃったね。
でももう平気だから」




そう言って軽く隼人の肩を押して身体を離す。





「本当に?」




と、まだ心配そうな顔で聞いてくる隼人。



この隼人の優しい顔を見ると全部吐き出しちゃいそうになるのを堪えて私は笑顔で言った。




「本当だよ!
さ、もう遅いから帰ろう?」