このときはまだ、桜子がどうして東京の芸能クラスに編入してきたのかなんてあまり深く考えていなかった。



先生の言う通り、定員が空いてたから入っただけのことだと思っていた。



普通に考えたら芸能クラスに一般人が入れるわけないのに、そんなこと気に留めている人なんか一人もいなかった。




みんな桜子といると楽しいから、それだけで十分だった。





君の笑顔の裏に隠されている苦しみに、僕はまだ気づいていなかったんだ………