「あれ?あそこに高校生みたいな子いるよ」 「は?いねーから。だって今日学校休みだし」 と、龍弥は言ったが、優太の指差しているほうを見ると、確かに高校生ぐらいの女の子が桜の木の下に立っている。 「え、誰?見たことある?」 「いや。てか、私服じゃん、あの子」 「ってことは転校生?」 なんていう二人の会話が横から聞こえているが、僕はその子から目が離せないでいた。