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「…はい、確かに原稿受け取りました」

「…編集さん」

「?はい」

「今日…会うよ」

「え?何が?」

「運命の人に」

「中岡先生…そういうのは漫画だけでいいですから呆
じゃ、お疲れ様です」

ガチャ…パタン

「運命の人って…笑」

恋愛にはもう見切りを付けた

もういいんだ…恋愛なんてとうの昔に諦めてるから



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「お腹空いた…もう8時か」

あの後、編集部に寄ってたら遅くなってしまった

「…から…って言ってるでしょ!」

「ん?」

人通りの少ない公園には学生が言い争いをしていた

(ケンカ…かな?)

「でも俺は…!!」

「だからっ…!!」

(ケンカもまた青春だなぁ……あ)

言い争っている女の子と目が合ってしまった

「…!」

ダッと駆け出す女の子はこっちに向かって走る

(あ、あれ?何かこっちに…)

ぎゅっ!!

「え…?」

「私、この人と付き合ってるの!!!」

「なっ??!!」

「…え?」

突然女の子が俺の腕に抱きついて叫ぶ

「な、何言ってんだよ?!ってか、そいつ誰だよ!!!」

「私のいとこ!」

「ちょっ?!何言っ…」

ボソッ「お願い!話合わせて…」

「ッ…」

「…ほんとなのかよ?!」

「ほ、本当です…」

(あ…俺何言ってんだろ…泣)

「…名前は?!」

「あ、朝比奈広太です…」

「こんな頼りなさそうな男が…」

「だから私のことは諦めて!」

「…チッ、今日は帰るよ」

そう言って男の子は去って行った