「ごめん・・・。別れて。」
『え・・・?』
今、別れを告げられたのは私、鈴乃愛癒夏【すずのあゆか】。
そして、別れを告げたのは宇山勇姫【うやまゆうき】。
私達は、さっきまでデートをしていた。
笑顔で、一緒にいたはずだった。
『冗談だよね・・・?』
震える声で、勇姫に聞いても何も返事が返ってこない。
冗談じゃ・・・ないの・・・?
『さっき・・・”すき”っていったじゃんっ・・・。』
「・・・。」
『ねぇ・・・勇姫・・・。』
あれは、嘘だったの・・・?
今日は・・・始めから別れるつもりでデートしてたの?
最後の・・・デートのつもりだったの?
『好きだったのは・・・私だけだったの・・・?』
「それは違う!」
『じゃぁ、何でよ?理由もわかんないまま、はいそうですか。別れましょうなんて言える訳無いでしょっ!?』
”違う”わけが無いじゃん。
”違う”んなら、別れるなんていわないよ・・・。
『好きなんだよ。私は、勇姫のことが、好きなんだよ?』
ぎゅっと拳を握った。
『だから、簡単には別れたくないよっ・・・。』
引き下がりたくない。
引き下がりたくないの。
『別れるなら、理由が知りたい。』
いつもみたいに、簡単に引き下がりたくなんか無いんだよ。
勇姫が好きなんだから。
絶対に・・・嫌なんだから。