「…………鬼はあたしでいいわ」


「だからヤらないってぇ」

「……………(無視)」

「あぁ、そうか。俺は王子ってことだな」



愛斗は一体何の話してるのぉ?自分のこと王子とかちょっと怖いしぃ

しかも喧嘩するにも自分の顔のこと言われなかったら本気出さないしさぁ。


本当に自分のこと好きなんだなぁ

僕はあんまり好きじゃないけどねっ、どうせなら格好いい顔が良かったンだもん……




雄馬はずっと無視して本読んでるし。チラリと横目で見ればぎっしりと文字が詰まっていて。
絶対僕じゃ読めないよぉ、あんなの



そんな愛斗も、雄馬も。勿論僕も。

夏蓮の次の一言で動きは止まった




「時間は二時間!その間に見付けれなかったら人には賞品として焼肉!寿司!ケーキ!その店で好きな物何個でも奢るわ!!!」

「………範囲はどこですか」

「このマンション全体!その代わり雨葉が帰って来たら雨葉たちにも鬼になってもらうわ!」

「その話しょうがないから乗ってやろう。ただし、俺が買ったら美奈も連れていくぞ」

「いいわよもうなんでも!!」

「なら、五分数えてねぇ?開始は三時半からねぇ」



そう僕が言うと、みんなソレゾレの場所に歩いて行く

………ぜったい勝つもんねぇ