キーン コーン カーン コーン


昼休み終了のベルが鳴った。しかし、羚弥たちの言い争いは相変わらず続いていた。


「何だよ。お前に構ってるせいで弁当食えなかったじゃねえか」


「構ってるって何だよ。まるでガキみたいな扱いじゃねえか」


「……え? そうじゃねえの?」


「その本当にそう思ってたみたいな言い方やめろおお!」


しばらくは収まりそうにない戦いだったが、授業開始のベルで周りの生徒達が席に着いたことで、ようやく二人は静まった。


その後、現代社会の教師が入室した。


「はい、じゃあ教科書出して。あ、資料集持ってきてないやつ取ってこいよ」


その指示で誰も立つ者はいなかったため、教師は始めてもいいと判断したのか、号令頼むと言った。


そして一通り号令が終わった後、羚弥は強い眠気に襲われ、吸い込まれるように意識を失った。