突然現れた王子



「ていうか、お前も固まってるから!」


少し明るくなった声で、ケイタは言った。


「わ、分かってるよっ!」


あたしの声も明るくなった。

そして二人、顔を見合わせて笑った。


さっきまでの気まずい雰囲気なんて、もうなくて。

笑いに包まれるあたしの部屋。


こうやって、すぐに切り替えられるあたしたちだから、大丈夫かな?
なんて思ったり。

これからのケイタとの生活に、安心さえ抱いていた。