突然現れた王子



次の日、あたしは8時に目が覚めた。

ケイタはまだ夢の中だ。


布団から出ると、寝ぼけまなこでドアへと向かった。


「…アユ?」


下を見ると、眠そうに目をこするケイタがいた。


「起きた? おはよう」

「おはよう。どこ行くの?」

「ん? トイレ行こうかなって」


寝ぼけたケイタは、少し甘えた声を出すから、
なんだか可愛く見える。


「じゃあ俺着替えようっと」


そう言って布団から這い出るケイタ。

少しはねた髪の毛さえも、可愛く見えるから不思議だ。