あたしはじっとケイタを見つめていた。


暗闇の中に、うっすらと浮かぶケイタの顔。

あたしに向かって、微笑みかけているように見えた。


月明かりに照らされたケイタは、やっぱりきれいで、
思わず引き込まれそうになる。


「アユ」


あたしの名前をそっと呼ぶケイタ。


「ありがとう」


囁きかけるような優しい声で、ケイタは言った。

なんだかいつものケイタと違うから、

あたしは少し戸惑ってしまったんだ。


「じゃあ、明日な。おやすみ」

「おやすみ」


あたしたちは眠りについた。