いざ授業を受けようと教科書を探したけれど、見つからない。

仕方なく隣の席の子に見せてもらった。


昨日確かに入れたはずなのに。


「あれなぁ、昨日見てたら戻すの忘れちゃった」


微笑を浮かべながら可愛らしく言うケイタ。


だからって許せるわけがない。

あたしは拳に力を込めた。


「ケイター!!」

「うわっ……お、怒ってる?」

「怒ってるに決まってるでしょ!!」