突然現れた王子



光が怒った顔をして、
あたしから雑誌を取り上げながら言った。


「ベルト貸して」

「はぁ~? またかよ」

「いいから。
貸さないとそのエロ本、塔子ちゃんにバラすよ」


腕を組んで光を見下ろしながら言うと、
光は急いでベルトをあたしに手渡してきた。


「うわっ、光バカ丸出しだし」

「うるせー!」


あたしが笑いながら言うと、光は怒った声で言い返した。


「まっ、借りてくよ。ありがとね」


そう言ってあたしは光の部屋を出た。