突然現れた王子



あたしが言うと、ケイタは不思議そうに聞いた。


「いや、ケイタが死んでないってことは、何らかの形で生きてるわけでしょ?」

「うん」

「でもここにいて記憶がないってことは、普通に生きてるわけじゃないじゃん?」

「うん?」


あたしの話を、ケイタは相槌を打ちながら聞いていた。


「誰か知り合いに会ったらまずくない?」

「あっ、そっか…」


あたしの話に頷くケイタ。

腕を組んで『確かにそうだよなー』なんて呟いてる。