突然現れた王子



「あっ! そうだ!
ケイタ、はい着替え」

「おっ、サンキュー」


あたしが着替えの入った袋を手渡すと、ケイタはそれを受け取って探り始めた。


「ジーパンとかそれで大丈夫?
ケイタ細いからな~」

「お前それ禁句!」

「うわっ! ごめーん」


ケイタが必死になって言うもんだから、
あたしはからかうように笑いながら言った。


「ベルトある?」

「女物しかない」

「うーん…さすがに女物は無理だな」


苦笑しながらケイタは言った。