突然現れた王子



そう言ってケイタは腹筋を始めた。


記憶がないのにこういうのってやりたくなるものなの?

疑問に思いながらもあたしはベッドに座って、
ケイタの筋トレを眺めていた。


「一緒にやるか?」


ケイタがいきなり口を開いて言った。


「はっ!? やんないよ!//」


あたしが大声を上げて拒否すると、
ケイタは不満そうに口を尖らせた。


「ていうか、お前細すぎだし!
筋トレしろっ!」

「ケイタの方が細すぎだし!
あたしはやんないよ」


そう言うと、ケイタはあからさまに拗ね始めた。