突然現れた王子



こいつ、光は同い年のあたしの従兄弟。

学校も同じ。


友達曰く、無謀な恋をしてるらしく、
こうやってエロ本を見ることもしばしば。


「で、何か用事なわけ?」


誤魔化すように問いかける光。


「あのね、服貸してほしいの」

「は? 服?」


顔を歪ませながら聞き返す光。


「なんで?」

「なんでも」


上手く説明できそうにないからあえて理由は言わなかった。