突然現れた王子



けれど、一つだけ疑問が残る。


どうしてあたしの部屋だったのか。


その理由を、ケイタは話し始めた。


「アユ…俺な?
実は、前からアユのこと、知ってたんだ」

「え?」


あたしを…知ってた?


「俺、晴れた日は学校まで自転車なんだけど、雨の日は電車に乗るんだ」


あたしと同じ………


「その電車に乗ってるのが…アユなんだ」

「あたし…?」