突然現れた王子



「俺は急いでその子を歩道の方に突き飛ばして、自分も戻ろうとした」


ケイタの顔は、だんだんと下を向く。


「けど…遅かった」


それが何を意味するか、あたしはすぐに分かった。


ケイタの体は車と正面衝突した。


「それで、気が付いたら……
アユの部屋にいた」


これが、ケイタがあたしの部屋にいた理由。


事故にあって、意識不明になって、

そしてあたしの部屋にきた。