突然現れた王子



「ケイタはあたしとは違う人なの?」


あたしの言葉に、ケイタは理解したように答えた。


「今は、な。
元はアユと同じ人間だよ」


だんだんと難しい話になってきて、あたしの頭はパニック寸前だった。


そんなあたしを見たケイタは、
あたしの頭をポンポンっと叩いた。


「まっ、幽霊じゃないけど幽霊みたいなもの、って思ってくれたらいいよ」

「んー…分かったぁ」


納得したようなしてないような。

そんなあたしに向けて、ケイタは笑顔を見せた。