突然現れた王子



ケイタはあたしを見ると、ゆっくりと口を開いた。


「幽霊、ではないと思う。死んではないみたいだし」

「死んでない?」

「うん。感じるんだよ、まだ生きてるって」


ケイタの言葉に、あたしは首を傾げるしかなかった。


自分は死んでない、生きていると言うケイタ。

その言葉自体、不思議だった。


普通に生活している人なら、そんな言葉は言わない。

ということは、ケイタは何か特別な人で、
特別な理由があってここにいる。

そういうことになる。