突然現れた王子



あたしは残念そうに下を向いた。


記憶が無くて1番歯がゆいのはケイタなのに。

あたしまで落ち込んでどうするんだろう。


そう思ってるのに、落ち込まずにはいられなかった。


「ねえ、ケイタはさ…
“幽霊”、なの?」


あたしは疑問に思ったことを聞いてみた。

部屋に帰ると突然いたケイタ。

不自然なほどに真っ白い服を着たケイタ。

普通の人にしてはおかしすぎる。