突然現れた王子



「ねぇー、ケイター」

「ん?」


ケイタの笑いが止まり始めた頃、
あたしはケイタを呼んだ。


「ほんとーにさ、何も思い出せない?」


あたしはケイタに問いかけた。

記憶のないケイタ。

それでも何かひとつぐらい、覚えてることはないかと、希望を託してみた。


うーん、と考えるケイタ。


「ごめん…やっぱ何も覚えてない」

「そっか……」