突然現れた王子



「いや…乙女だなって思って」


そう言ってまた笑い出すケイタ。


「中身はね。見た目は全然でしょ」

「ぶはっ」


あたしの言葉に吹き出すケイタ。

そして笑いながら

『母ちゃんの見た目が乙女って嫌だろ』

と言った。


止まりそうにないケイタの笑い。

そんな笑いが場の空気を和ませた。


「ていうかケイタ、いつまで笑ってんのー!」

「止まんねーんだよっ!」


そう言ってひたすら笑うケイタ。

呆れて何も言えずに、あたしはケイタを見つめていた。