突然現れた王子



「あたしっ………」

「ん?」

「ケイタがっ……好き…だよっ……」


精一杯出したその声は、涙で少しかすれていたけれど。


あたしの想いの全て。

ケイタに捧げる、あたしの気持ち。


ケイタは、優しく微笑んで

『うん』と頷いた。


ケイタの目からも、涙がこぼれ落ちる。


「アユ、大好きだよ」

「あたしもっ…大好きっ……」


必死に伝えると、

ケイタはとびっきりの顔で笑った。