「……アユっ………」


ケイタがあたしを呼んだ瞬間、

ケイタの体が徐々に透け始めた。


「ケイタ…?」


ケイタは、自分の透けていく体を、じっと眺めた。


そして、悲しそうに笑った。


「もう、終わりみたいだな」

「ケイタ?」

「アユ…俺、全部思い出したよ」

「え?」


思い出した?

記憶が戻ったの?


「でもな、時間がないみたいだ」

「ケイタっ……」


あたしの目からは、大量に涙がこぼれ落ちた。

ケイタとの別れを意味してるって、分かったから。