そんな儚い願いは、もろくも崩れ去ることとなった。


ケイタとの別れがもう目の前に来ていることなど、
あたしは気付かなかった。


あたしたちの終わりの時間が、刻々と迫ってきていた。


「なぁ、アユ?」

「なに?」


あたしは、このときのケイタの言葉に、不安になるのを抑えきれなかった。


「今まで、ありがとな」

「え?」


今まで…ありがとう?

その言葉は…何を意味するの?


「ケイタ?」


あたしは心配になって、ケイタに呼びかけた。