突然現れた王子



もうすぐ頂上に着くというころ、

ケイタが口を開いた。


「今日、楽しかったな」


そう言って笑うケイタ。

太陽の光が当たって、
さっきの海面と同じように、
輝いてた。


「すっごく楽しかった。最高の誕生日だったよ」


あたしがそう言うと、ケイタは満足そうに笑った。


誕生日だから。

遊園地だから。


1番に、君と一緒だったから。

だから楽しかったんだよ。

幸せな時間だって、思ったんだよ。