突然現れた王子



そしてまた、ドキドキが始まった。

胸がキューっとなって、
ケイタに触れたくなる。

思わずケイタの瞳に吸い込まれそうになって。


あたしはじっと、ケイタを見つめていた。


「最後にさ、観覧車乗ろっか」


ケイタの言葉に、あたしは笑顔で頷いた。


観覧車へと向かう。

あたしは、ケイタの差し出した左手に、自分の右手を重ねた。

ケイタの温もりが、伝わった。

安心する温もりが、あたしを包む。


観覧車の入り口に着くと、
スタッフの指示に従い、
ゴンドラに乗り込んだ。