突然現れた王子



「うぅ~……怖いよぉ~……」


怖さのあまり、ケイタの服を強く握っていて。

歩幅も狭くなるあたしに、ケイタは振り返った。


「お前、引っ張りすぎ」

「だってぇー!」

「そんな怖がんなくても、俺がいるって」


そう言ってまた歩き出すケイタ。

あたしは仕方なくケイタについて行く。


暗闇が、更にあたしの恐怖感を掻き出して。

もう泣きそう………