突然現れた王子



照れくさそうに言うケイタ。


あたしはすごく嬉しくて。

泣きそうなくらい嬉しくて。


涙をこらえてケイタに言ったんだ。


「…ありがとう」


そしたらケイタは、嬉しそうに微笑んでた。

あたしも笑顔になった。


今までで一番の、誕生日プレゼント。

まさかケイタからもらえるなんて思ってなかった。


あたしは自分から手を差し出した。

もう恥ずかしくなんかないよ。

緊張して、話せなくなることもない。


ケイタは、あたしの差し出した手に、
自分の手を重ねた。

そして、固く握り合った。