突然現れた王子



繋ぎ合う手と手。

あっさりと繋ぐケイタに、
やっぱりドキドキが止まらないあたし。


繋いだ手が、汗ばんでくるのが分かる。

ケイタにバレないか、不安。


そして、やっぱりケイタの話は耳に入っていなくて。


「おい! アユ!」

「え!?」


あたしはびっくりして顔をあげた。

するとそこには心配そうなケイタの顔。


「大丈夫か?
この前から変だぞ、お前」

「う、うん…大丈夫…」


あたしは一度深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。


ただ危ないから、手を繋いでるだけ。

深い意味なんてない。