「ちょっ、お母さん!」

「ん? なに?」


あたしは勢い良く母親を呼び止めた。

振り返る母親に、あたしはなかなか口を開けない。


「そんな簡単に決めちゃっていいの…?」


恐る恐る問いかけると、
母親は表情一つ変えずに言った。


「だってあんたの友達なんでしょ?
なら大丈夫じゃない」

「でも男だよ!?」

「それでも友達には変わりないんだから、別にいいわよ」


そう言って部屋を出ようとする母親。

あまりの楽観的な考えに、あたしは頭を抱えそうになった。