────ドンッ 私は何か……、いや、誰かにぶつかってしまった。 『す、すみません。さよならっ。』 正直今は、誰にぶつかったかなんて、確認する暇もない。 一刻も早く、逃げなければ。駅前の交番に行かなくては。と思い、謝罪もそこそこにまた、走り始めようとしたが……。 「こんな時間に、こんなところ通るなんて……。」 左腕を掴まれて、声を掛けられた。 おそらく親切心から来ているであろう行動。 そんな行動でさえも、さっきと繋がりそうになる私の思考は、半狂乱。