ラヴァップ

いつもと同じだと思いつつ、心の隅では胸騒ぎがしていた。


「ねぇ。」


知らない人に声を掛けられた気がした。

ここがもし、大通りであれば『人違いじゃありませんか』といいスルーすることも、無視も出来るだろう。

だがここは、閑静な住宅地。良くも悪くも、人があまりいない。

まず、‘人違い’ということはあり得ないだろう。



「ねぇ、ラナちゃん。」


────寒気がした。