ラヴァップ

『ハッ、ハッ、ハッ。』

暗い夜道に私の走る足音と、荒い呼吸が響いている気がする。

あくまでも、‘気がする’というだけ。


実際は、あり得ないだろう。


しかし、現在進行形で‘追われている’私には、些細なことでも神経を逆撫でる。不安材料にしかならず、それは尽きない。


『誰か一人くらいいたってもいいじゃない。』

ポツリと零れた独り言。


それは、紛れもない本心だ。