ラヴァップ

「ラナちゃん。交番もうすぐ着くんだけど、落ち着いて話せる?」


三島さんが、気遣ってくれる。

まぁ、私はさっきまで狂ってたし。


「ゆっくりなら、たぶん大丈夫です。」


前向きな返答をする。



大丈夫。

落ち着けば大丈夫。



何度も何度も、心の中で暗示のように繰り返す言葉。




「辛くなったら、いつでも言って。」


「はい、ありがとうございます。」


そういって、駅前の交番のドアをカラカラと開ける。