心を見透かされるような気がして…


俺はフッと視線を下に落とした。


その動作に…

千草が察する。


「ふぁあああ〜ぁ」

腹の底から声を出したような…

張り詰めたものを吹き飛ばすかのように…

両手を上げながら、背伸びをしつつ…

奇声を発する…千草。


その声に、一瞬カラダを震わす俺に、


「ゴメンねっ!!…変なこと言っちゃって!!…」

満面の笑顔を向けた。


……


バカだ…俺は…


何で…応えてあげられないんだ…


もう…いいだろ…?


千草となら…


大丈夫だって…



解り合ってるなんて思っていても、

強がってみても、


きっと…カタチは必要なんだ…


『女の子』である千草に無理させたよな…


今まで築いてきたカタチを守る事に必死で…

少し…いや随分と臆病になっていたのかも知れない…



「千草…明後日の日曜日…デートしよう…?」



その言葉に…
千草は優しく頷いた…



…今度は俺の番…!