「もしかしたら、お着替え中の嬉しいハプニングとかあるかもよ〜」

…完全に悪ノリの域を超えた悪代官みたいな顔をしている。

そこで俺が顔をニヤニヤさせ「オヌシも悪よの〜ぅ」なんて言うキャラだと思ってんのか…

ふぅ、と短いため息をつき、降ろした手を再度差し出しノックしようとすると、

「もしそうなったら、お互い意識しちゃって盛り上るかもしれないじゃん」

勝手に興奮している。完全にいたずらっ子の顔だ。

ドラマの見過ぎだな千尋は…
大体、俺たちをくっつけようとばかり策を練ってくる。
…何が面白いんだか…


コンコン。

千尋を無視して、ノックする。


返事がない…

おばさんも、千草は寝てるって言ってたからな…

コンコン。



仕方ないな…

横目でチラッと千尋を見ながら、

「千草〜!入るぞ〜!」

聞こえるように声をかけて、ドアノブを回した。