「でもね…私は、あと何年かしたら死んじゃうなんて……信じてないんだ!」


「千草…」


「私は、きっと生き延びる!いや、蓮もだよ!?…二人でちゃんと成人して…人並みに、幸せになるんだよ!」


「千草…オマエ…強いな」

静かに微笑む。


「私ね、成人するまで後ろ髪切らないって決めてるんだっ」

髪をなびかせ、蓮を見つめる。

「それで…伸ばしてたんだ…!?」

「そう。一種の願掛けみないなもんだねっ!」

私は、そう言って座ると再び蓮を抱きしめた。


「一緒に大人になろう?蓮っ…」

「…うん」

呼応するかのように、蓮もめいっぱい抱き締め返す…

「人を信用しないって言うんなら、病院の先生の言うことなんて信じちゃダメっ!」

「……」

「病気なんかに負けちゃダメっ!!」

「…あぁ」


『一緒に大人になろう』


…そう、二人で誓った…

死に怯え生きるんじゃない、
希望を持って生きるんだ、って。

それが歩むという事で、人が生きる人生なんだ…

……